芳賀赤十字病院は、地域医療支援病院、地域周産期母子医療センター、災害拠点病院、DMAT指定病院、地域がん診療病院、栃木県がん治療中核病院・臨床研修指定病院に指定されています。

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臨床研修医通信Vol.22「小児科研修(後半)」

 

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臨床研修医通信Vol.21「小児科研修(後半)」

研修医  江原 幸康

新生児診察

 採血が終わったら産婦人科病棟で、新生児の入院時診察・退院時診察をします。新生児にとっては生まれて初めての診察になりますが、それを自分が行なう、となると感動と責任の両者を感じないではいられませんでした。
 まず心音、呼吸音を聴き、大泉門、鎖骨、腹部、神経学的所見、背部、口腔内、おむつを外して大腿動脈、肛門など、ルーチン化して体をまんべんなく診察します。指導医の診察がとてもスムーズなのを見ると、自分も出来るだけ真似したい、という気持ちが出、診察を心地よくできるようになってきた、と思っています。

外来・入院と、さまざまな業務をこなす!

 その後病棟業務をこなし、落ち着いたら外来へ移動し上級医と一緒に診察します。外来では、気管支喘息や川崎病、発熱症状の患者さんなど、commonな疾患をかなり濃密に診察させて頂くことができます。途中に採血や点滴の方がいたら技術を上げるために率先して取り組みました。さらに、入院する患者さんがいれば病棟に戻り、カルテで指示をだし、指導医に内容をチェックしてもらう、そんな形で午前中はあっという間に終わります。

 午後は外来もしくは、救急当番の先生についてファーストをやらせて頂くことが多かったです。前者に関しては乳児健診やワクチン接種日は診察や注射を自分が行なうことになります。後者に関しては特に熱性痙攣のときは重積状態になっていないのかの判断を行なうのがかなり大変で、上級医・指導医がいらっしゃるとは言え、終わったら疲労が溜まることが多かったです。しかし、正直この大変という感覚を持てたことは非常に重要だと考えています。研修医から見ると上級医が判断を簡単にやっているように見えても、実はそうとは限らず、常に患者さんを観察、診察しては本当に大丈夫かどうかを判断しようとしているのです。その雰囲気を感じるだけでも非常に勉強になります。初期研修医でなくなる来年度以降の当直では、自分がそれを判断しなくてはならなく、判断の難しさ、慎重さを今のうちから自分でやらなければならないというシミュレーションとしては何度経験しても学ぶところがあると思います。

小児科ならでは、の出産立会い

 突発的に入ることとしては救急外来以外には小児科立ち会いのお産があります。帝王切開から患者さんにnCPRをおこなったり臍帯血採血を行なったりして、準備でき次第NICUへ移動になります。NICUでは頭部エコーや心エコーを行ないますが、前者は小児科をまわらない限り行なえることはなく、後者に関しては大人よりも圧倒的に行ないやすいです。上級医が何に着目しているのかを可能な限りついていこうとして研修していきました。自分の研修中に最も印象的なできごとは、常位胎盤早期剥離の緊急帝王切開手術が入ったときのことです。小児科の先生方が全員手術室に入られ、蘇生に徹される先生、外回りで必要な業務を手際よく行なわれる先生、NICUへ移動後も処置に徹する先生、オーダーに徹する先生、書類の準備をする先生、と各役割分担をとにかく迅速に適切にこなされていて、患者さんの安全を最大にという熱意がこれでもか、というくらいに伝わってきました。自分も何か一つでも仕事をこなさなくては、と仕事を見つけては院内を走り回っていました。早期剥離の時は研修医も走るくらいに超緊急事態ということを学生時代に聞いたことがありましたが、今回のことはとても貴重な経験になりました。

小児科研修を終えて・・・

 小児科研修をしていて一番やりがいがあるなあ、と感じたことは、小児科は総合診療を実施している、という件です。体重別に薬の分量が変わるなど特殊に見えることがある反面、一人の患者さんをいろんな角度から診て、それも臓器に限定されることなく、例えばどの医師も心エコーは行なえるし、どの医師も感染症に詳しい、など大人の内科では実践が難しいことを当たり前に実施できている点がとても魅力的に感じました。小児科は確かにこどもを対象としているが、その評価の仕方に関しては大人と違いはあるものの、やっていることは総合診療的であり、医師としての基礎力を底上げするにはとてもいい研修になりました。

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小児科研修なしに初期研修を終わるプログラムが圧倒的多数だと思いますが、研修として経験できないことは非常にもったいない、と私は感じます。こどもの診かたというのを学べた研修ができたことに対して感謝の念でいっぱいです。

 

芳賀赤十字病院は、地域医療支援病院、地域周産期母子医療センター、災害拠点病院・DMAT指定病院、栃木県がん治療中核病院・臨床研修指定病院に指定されています。