診療案内
腎臓内科
概要
腎疾患診療および透析医療を二大業務としております。腎臓病があると、やがて腎臓の働き(機能)が低下してしまう恐れがあります。まずは、どういう病気なのかを調べ、診断に基づいた治療法を講じて参ります。一方で、腎機能が著しく低下した場合、腎臓の”代役”を務めるのが透析療法です。
おもな疾患・診療内容
慢性腎臓病(CKD)
”新たな国民病”とも言われ、様々な疾患によって腎機能が低下するだけでなく、心臓や血管にも合併症を生じやすくなります。実際の疾患(どういう病気か)は様々で、糸球体腎炎のような腎臓自体に発生する疾患のほか、近年では糖尿病や高血圧など生活習慣関連疾患が原因となることが多く、診療科間連携にも努めております。また、CKD診療においては、コメディカル(医師以外の医療者)の関与も推奨されてます。当院では、看護協会認定看護師(腎不全分野)1名・腎臓病療養指導士6名(看護師4名/薬剤師2名)・慢性腎臓病療養指導看護師1名が勤務し、患者教室等を通じてチーム医療を実行しております。
糸球体腎炎、ネフローゼ症候群、尿細管間質性腎炎
尿を作るため、腎臓には血液濾過装置(糸球体)や精製装置(尿細管)があります。腎臓固有の疾患の多くは、ここに炎症を生じることで起こります。大量のタンパクが尿中に失われると、身体中に連鎖的な合併症を起こすこともあります(ネフローゼ症候群)。治療への第一歩は疾患(原因)となり、そのために必要な腎生検という検査も当院でも施行しております。
末期腎不全
この状況に至ると、生命維持のため血液透析・腹膜透析・腎移植のいずれかが必要となります。看護協会認定看護師や腎臓病療養指導士による看護外来を設けており、近い将来透析が予想される場合、治療内容を詳しく説明しております。みなさまのお仕事や生活状況も伺ったうえで、円滑な準備・治療が遂行できるよう努めます。透析センターは給水設備がオンライン化されており、血液透析のほか、大量の置換液を用いた質の高い血液濾過透析も行っております。腹膜透析や腎移植についても詳細な説明を行っており、ご希望される患者さんは大学病院へと紹介いたしております。
血液浄化療法を要する腎臓病以外の疾患
透析療法の技術を応用する形で、腫瘍性大腸炎・クローン病に対する顆粒球吸着療法、大量の腹水に対する腹水濾過濃縮再静注法(CART)といった、特殊血液浄化療法も行っております。
発表等
※第一著者あるいは演者が、当科所属医師としての発表に限る。
学術論文
- Minezumi T, Takeda S, Igarashi Y, Sato K, Murakami Y, Nagata D. Hypoglycemic Coma in a Hemodialysis Patient Receiving Blood Glucose-Lowering Therapy With the Single Agent Teneligliptin: Clin Med Insights Case Rep. 2018: 1179547618763358.
- Oe K, Koyashiki Y, Takeda S. Marked vascular calcification in a patient on hemodialysis. Clin Exp Nephrol. 2025; 29(1):123-124.
- Tsunematsu O, Takeda S, Yamaguchi M, Kaneko M, Oe K, Murakami Y, Nagata D. Constrictive Pericarditis in a Hemodialysis Patient Who Presented with Rapidly Progressive Pericardial Calcification: A Diagnostic Challenge – A Case Report. Case Rep Nephrol Dial. 2025; 15(1): 33-40.
学会発表
- 峯積 拓巳, 武田 真一, 五十嵐 祐介, 佐藤 健太郎, 村上 善昭:DPP-4阻害薬の単独服用中に低血糖性昏睡を生じた透析患者の1例:第53回日本赤十字社医学会総会.2017年10月、仙台.
- 常松大帆, 岡村麻里子, 大塚香奈, 松本旭絵, 上野友貴, 野澤由紀子, 石川裕里, 川又裕美, 五十嵐幸子, 新部武人, 長谷部明子, 武田真一:腸炎・菌血症・急性腎障害(AKI)を呈して血液透析を行ったサルモネラ感染症の1例:第45回 栃木県透析医学会学術集会.2022年10月、ウエブ開催.
・山口 光崇, 武田 真一, 常松 大帆, 斎藤 瑞穂, 金子 美和, 高橋 健人, 村上 善昭, 今井 利美, 長田 太助:進行する心膜石灰化像が診断の手掛かりとなり,心膜剥離術が奏功した収縮性心膜炎・血液透析患者の1例:第53回日本腎臓学会東部学術大会.2023年9月、仙台.
・大江 一帆, 武田 真一, 常松 大帆, 大塚 香奈, 川又 裕美, 長谷部 明子, 村上 善昭, 長田 太助:除水不足を契機に上肢閉塞性動脈性疾患(UEAD)が判明した血液透析(HD)患者の1例 透析患者の血圧評価を考察する.第69回日本透析医学会学術集会・総会.2024年6月.
- 常松 大帆, 大江 一帆, 武田 真一:加速型悪性高血圧にて血液透析開始され,約2年後に腹膜透析に移行した若年成人の1例:
第54回日本腎臓学会東部学術大会.2024年9月、宇都宮.
診療スタッフ
武田 真一(たけだ しんいち) |
役職 |
主任部長 |
専門分野 |
腎臓内科、透析医療 |
学会専門医・認定医等 |
- 日本内科学会総合内科専門医・指導医
- 日本腎臓学会専門医・指導医
- 日本透析医学会専門医・指導医
- 厚生労働省認定臨床研修指導医講習会修了
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大野 和寿(おおの かずとし) |
役職 |
副部長 |
専門分野 |
腎臓内科 |
学会専門医・認定医等 |
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