水痘
水痘は「みずぼうそう」ともいわれる水痘-帯状疱疹ウイルスによる感染症 で、発熱と体中に発疹が広がるとても感染力の強い病気で、生後1ヶ月を過ぎた 乳児期から罹患します。健康な小児では軽症で済む事も多いのですが、中には遷延化あるいは重症化し、入院が必要となったり、稀に死亡する例もあります。また成人では小児に比較して重症化しやすいといわれています。また、成人の帯状疱疹は同じウイルスによる病気なので、帯状疱疹の大人の方か ら乳幼児に感染し水痘を発症する事もあります。
水痘の合併症としては、肺炎、肝炎、心膜炎、髄膜脳炎、血小板減少性紫斑病 などがあります。皮膚の細菌感染症により瘢痕を残したり、敗血症を起こす場合もあります。
また、急性白血病や悪性腫瘍で化学療法を施行中の患者、免疫抑制剤を使用中の患者、細胞性免疫不全患者など、免疫機能が低下している方が感染を起こすと重篤になりやすく、治療を尽くしても死に至ることがあります。
水痘ワクチン
現在使用されている水痘ワクチンは日本で開発された生ワクチンで、1985 年にはWHOに認められ世界中の国々で使用されています。
水痘ワクチンはこれまで任意接種でしたが、2014年10月より定期接種と なりました。
≪接種対象年齢≫
* 接種対象年齢は生後12ヶ月から36ヶ月(1歳から3歳の誕生日の前日まで)
* 接種回数は2回(3ヶ月以上の間隔をあける)
≪経過措置について≫
なお、今回の定期接種化に関連して、平成26年10月1日から平成27年3月31日の半年間に限定して、以下のような経過措置が設けられました。
* 年齢が生後36ヶ月から60ヶ月(3歳から5歳の誕生日の前日まで)
* まだ水痘に罹患しておらず、1度も水痘ワクチン接種を受けた事がない方
* 1回のみ接種が可能
具体的な接種方法は、1歳の誕生日を迎えたらできるだけ早く、麻疹風疹ワクチンとの同時接種がおすすめです。そして3ヶ月の間隔をあけて2回目を接種しましょう。 詳しくは、外来でご相談ください。