地域に貢献する病院として

芳賀赤十字病院の歴史は、1922年に株式会社芳賀病院が設立されたことに始まります。関東大震災や第二次世界大戦など、数々の歴史的困難を乗り越え、栃木県の医療を支える重要な役割を果たしてまいりました。1949年には、日本赤十字社に移管され、「日本赤十字社栃木支部芳賀赤十字病院」として再出発し、その後、2017年に医療施設管轄の変更に伴い、現在の名称である「芳賀赤十字病院」へと改められました。
当院は、地域医療の中核病院としての使命を果たし続けています。1971年には総合病院として認定され、1978年には病院群輪番制救急病院(二次救急)に指定されました。芳賀郡市唯一の二次救急病院として活動を開始しました。2012年には地域医療支援病院として承認され、年間4,000台以上の救急車を受け入れるなど、急性期医療を中心に地域の医療を支えています。また、地域周産期母子医療センターを活用し、ハイリスク分娩や新生児治療にも注力してまいりました。
2021年にハイケアユニット(HCU)病棟を再編し、救急医療体制を一層効率化しました。また、2016年に開棟した回復期リハビリテーション病棟は、2022年10月に全40床の稼働を開始し、在宅復帰支援の強化を図っています。高齢化社会への対応として、2016年には認知症疾患医療センターに指定され、地域の認知症医療の拠点としての役割を担っています。がん診療においても、2014年に地域がん診療病院の指定を受け、専門性の高い医療を提供し続けています。
当院は災害医療にも積極的に取り組んでおります。1996年には災害拠点病院に指定され、鬼怒川水害、熊本地震、能登半島地震などの際にはDMAT隊や日赤救護班、こころのケア班を派遣し、医療支援や心のケア活動を行ってまいりました。今後も災害医療支援体制のさらなる強化を目指し、地域と共に歩み続けてまいります。
また、医学教育にも力を注いでおります。2004年に臨床研修指定病院に指定され、2016年には自治医科大学地域臨床教育センターが併設されました。若手医師の育成をはじめ、医療者を志す学生たちの実習を積極的に受け入れ、多職種教育にも取り組んでいます。
2004年に初期臨床研修制度が導入され、医師派遣が減少した際には病院存続の危機に直面しましたが、2006年に自治医科大学の関連施設となり、医療提供体制の立て直しを図りました。2019年には、老朽化や耐震性の課題を解決するため、免震構造を備えた新病院を建設し、新たなスタートを切りました。
今後も「地域に貢献する病院」という理念のもと、患者中心の医療、安全で質の高い医療、そして赤十字精神に基づく社会貢献を軸に、地域の皆様に愛される病院を目指して邁進してまいります。引き続きのご支援とご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
芳賀赤十字病院
院長 本多 正徳
