診療科の紹介
心臓・血管疾患を中心に地域に密着した診療を提供しております。自治医科大学附属病院と連携し、高度医療にも対応しています。狭心症、心筋梗塞、不整脈、心不全、大動脈瘤、深部静脈血栓症、肺塞栓症、肺高血圧症、高血圧、脂質異常症、睡眠時無呼吸、閉塞性動脈硬化症などを診療しており、カテーテル治療、ペースメーカー植え込み術、睡眠呼吸障害の検査・治療、心大血管リハビリテーションを実施いたしております。
主な対象疾患
心疾患としては狭心症・心筋梗塞・心筋症・不整脈及び心不全など,大血管疾患では(解離性)大動脈瘤、深部静脈血栓症、肺塞栓症、肺高血圧症などの他に高血圧・高脂血症・睡眠時無呼吸など、動脈硬化の原因となる生活習慣病があります。また、閉塞性動脈硬化症などの末梢動脈疾患も専門としています。
診療内容
治療では,急性心筋梗塞や狭心症に対する緊急及び待機的経皮的冠動脈形成術、末梢動脈疾患に対するカテーテル治療、永久ペースメーカー植え込み手術も行っています。また,循環器疾患に合併する睡眠呼吸障害について積極的に検査治療を行なっており,必要に応じて,在宅酸素療法,CPAP(持続陽圧換気療法)やASV(サーボ制御圧感知型人工呼吸器)の導入を積極的に行っております。
心筋梗塞後や心血管手術後,慢性心不全に対するリハビリテーションにも積極的に取り組んでいます。
検査・治療
X線、CT、MRI、心電図、血液検査などのほかに、次の予約検査があります。
心臓超音波(心エコー)検査:月(午後)火(午前)水(午前)
超音波によって心臓を観察し、大きさ・形・動き・弁などの心臓の機能を評価します。 検査時間は20分程度で患者さまへの侵襲なく、大変有効な情報が得られます。
経食道心臓超音波検査:随時
胃カメラと同じように管を飲み込んで、心臓を裏側から超音波で観察します。 弁膜症、心房細動、心房中隔欠損症の診断に有効です。心房内に血栓があるかどうかが非常によくわかります。検査は空腹時に行います。
頚動脈超音波検査:月(午後)水(午前)
頚部(首)の動脈を超音波で観察します。動脈硬化の程度や脳血管障害の原因精査に有効です。患者さまへの侵襲はほとんどありません。
運動負荷(トレッドミル)検査:随時
心電図をつけてルームランナーの上を歩き、運動負荷による心電図変化を観察します。狭心症の有無、不整脈の変化、心不全の場合の運動耐容能の評価に有効です。検査時間は30分程度です。
心筋シンチグラフィー(核医学)検査:随時
放射性同位元素を用いて心臓の血流の状態を評価します。狭心症の診断に非常に有効で、狭心症であるかどうかだけでなく、侵されている部位まで診断できます。
ホルター心電図検査:毎日
携帯型の心電図をつけ24時間記録します。当日朝8時30分に装着し、普段通りの日常生活を送ってもらいます(仕事も可)。翌日朝8時30分に外します。不整脈の診断・評価に有効で、狭心症の診断にも用います。
睡眠ポリグラフィー検査:月、水、金
睡眠時無呼吸症候群の精密検査です。鼻と胸、指先にセンサーを装着して自宅でできる簡易検査と、脳波も装着して入院で行うフル検査があります。検査結果に応じて、CPAPやASV療法を開始します。
心臓カテーテル検査 経皮的冠動脈形成術:火(午後)木(午前)
手首または足の付け根の動脈から直径2mm程度の長い管(カテーテル)を心臓まで挿入し、造影剤を用いて、心臓の動脈(冠動脈)や心臓の部屋(心室)をレントゲンで撮影します。また、心臓の内部の圧力や拍出量を測定して、心臓の機能を評価します。狭心症・心筋梗塞の診断に大変有効です。検査時間は1時間程度で、2泊3日の入院を必要とします。検査で冠動脈に狭窄が認められた場合は、経皮的冠動脈形成術(カテーテルを用いて狭窄した部分を、バルーン(風船)やステント(メッシュ状の金属の筒)を用いて拡張する治療)を即日施行します。
血管造影検査:火(午後)木(午前)
四肢や腎臓の動脈病変の精密検査として、カテーテルを用いて造影剤を注入し、レントゲンで撮影します。動脈硬化によって狭窄した部分を、バルーン(風船)やステント(メッシュ状の金属の筒)を用いて拡張する手術も行っています。
副腎静脈採血:火(午後)木(午前)
高血圧の原因として腹部にある副腎からホルモンの過剰分泌が疑われる場合、大腿静脈から局所麻酔でカテーテルを挿入して、副腎静脈から採血を行い、ホルモン値を分析することで、副腎摘出術の適応を決める検査です。入院1泊2日で行い、1~2時間の検査です。
永久ペースメーカー植え込み術
不全症候群や房室ブロックといった徐脈性不整脈で失神などの症状がある方に行います。前胸部に局所麻酔で約5cmの切開を行い、心臓に向けて静脈を経由して電極を挿入し、皮下ポケットにペースメーカー本体を植えこみます。2時間前後の手術で、術後1週間で退院となります。
下大静脈フィルタ留置術
下腿の深部静脈血栓症が広範囲に及び、肺塞栓症発症のリスクが高いと判断した際に、局所麻酔で頸静脈または大腿静脈より挿入します。
医師紹介
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かわまた のりぶみ
河又 典文
役職 循環器内科主任部長
専門分野 循環器疾患、睡眠時無呼吸、スポーツ医学
資格・学会 - 日本内科学会総合内科専門医
- 日本内科学会JMECCインストラクター
- 日本循環器学会循環器専門医
- 厚生労働省認定臨床研修指導医講習会修了
- 日本医師会健康スポーツ医
- 日本スポーツ協会公認スポーツドクター
- 日本救急医学会認定ICLSコースディレクター
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わたなべ たかひろ
渡辺 貴裕
役職 循環器内科副部長
専門分野 循環器内科
資格・学会 - 日本内科学会総合内科専門医・認定医・内科指導医
- 日本循環器学会専門医
- 日本心血管インターベンション治療学会認定医
- 日本医師会認定産業医
- 厚生労働省認定臨床研修指導医講習会修了
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むらかみ よしあき村上 善昭
役職 副院長兼内科統括部長
専門分野 循環器疾患
資格・学会 - 自治医科大学臨床教授
- 日本プライマリケア連合会認定医・指導医
- プログラム責任者講習会修了
- 厚生労働省認定臨床研修医指導医講習会修了
外来担当医表
| 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 (午前) |
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|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 午前 | 初診 | 河又 典文 | 森田 愛理 | 渡辺 貴裕 | 平田 悠翔 | 村上 善昭 | |
| 再診 | 渡辺 貴裕 村上 善昭 |
河又 典文 | 村上 善昭 | 河又 典文 | 渡辺 貴裕 | ||
| 午後 | 村上 善昭 | 平田 悠翔 | 河又 典文 | ||||
休診・代診情報
発表等
- pure autonomic failureと診断された起立性低血圧の1例
(第537回日本内科学会関東地方会.2006年7月) - 虚血性心疾患による慢性心不全の患者は,非虚血性に比べて,より重症の睡眠呼吸障害を呈する
(第54会日本心臓病学会学術集会,2006年9月) - 本態性血小板血症に加えて,子宮筋腫による過多月経に対する経口ピル内服を誘因として発症した深部静脈血栓症の一例
(第550回日本内科学会関東地方会,2007年12月/第207回日本循環器学会関東甲信越地方会,2008年2月) - 僧帽弁置換術後に生じた左房内球状遊離血栓の1例
(第559回日本内科学会関東地方会,2008年12月) - 虚血性・非虚血性心不全での睡眠呼吸障害の頻度と年齢の関係についての検討
(第57回日本心臓病学会学術集会,2009年9月) - 睡眠時無呼吸を合併した低心機能重症大動脈閉鎖不全症の術前ケアにASVが有効であった1例
(第58回日本心臓病学会学術集会,2010年9月) - 比較的初期の段階からCTで観察できた心臓原発悪性リンパ腫の一剖検例
(第59回日本心臓病学会学術集会,2011年9月) - 慢性心不全の高感度トロポニンとAHIは相関するか?
(第60回日本心臓病学会学術集会、2012年9月) - 胸部大動脈瘤食道瘻の一剖検例(第589回日本内科学会関東地方会、2012年7月)
- 深部静脈血栓症を繰り返したプロテインC低下症の一例
侵襲的手技に伴うワーファリンからヘパリン置換の代わりに、新規経口凝固薬を用いる方法
(第61回日本心臓病学会学術集会、2013年9月) - ASV長時間装着でQOLの保たれた日常生活を送ることができた高齢慢性心不全患者の1例
(第62回日本心臓病学会学術集会、2014年9月) - 経時的な心電図上のLVHを契機に判明したCushing症候群の一例
(第63回日本心臓病学会学術集会、2015年9月) - 心嚢水、胸水貯留から比較的早期に診断に至った高齢男性SLEの一例
(第626回日本内科学会関東地方会、2016年9月) - バルサルバ洞瘤破裂に対し外科的治療で救命しえた一例
(第64回日本心臓病学会学術集会、2016年9月) - 慢性心不全に対するASV治療の算定保険診療費の選択に関する検討
(第65回日本心臓病学会学術集会、2017年9月) - ペースメーカー留置後に胸壁軟部組織の易可動性によりリード脱落を生じた1例
(福田太郎、 2019年5月18日、日本内科学会関東地方会) - PCI 施行後 10 年以上経過した遠隔期の PCI 中に発症した HIT の一例
(齋藤俊祐:第57回日本心血管インターベンション治療学会関東地方会2021年5月8日、東京)
